香港の街角おやつは、どこか懐かしい味
フレンチトースト、香港ミルクティー、ワンタン麺、
香港式デザート3品を食べたあとでも
食へのあくなき探求と
我が胃袋との容赦ない戦いが続きます
青空の下で香港式甜品を楽しんだ後は、食べ物の消化を促すべく、あてもなくフラフラ。
とは言いつつも、美味しそうなモノを見逃さないよう注意しながら、湾仔界隈を散策。
湾仔にある、Ariさん御用達のお洋服屋さん、『Maple』
チェーン店らしく、香港のいたるところに支店があり、
何となく『しまむら』を彷彿とさせるような、二流感が溢れるお店です。
一見、日本にもありそうな、ごく普通の洋服屋さんですが、やはりここは香港。
購入前に知っておいた方が良いことが、いくつかあります。
まず、試着室はなし。合うか合わないかは、運次第。
ほぼ、全商品ワンサイズ。欲しいサイズがあるかどうかは、運次第。
そして最大のポイント、店頭に置いてあるのは”サンプル”。
実際に購入する商品は、裏の倉庫から。汚れやほつれの有無は、運次第。
今回は、マフラーを購入。60HK$、800円ほどと、なかなか良いお買い物。
「暑い」と思っていた香港が思いのほか寒く、軽く羽織るものが欲しくなった時(過去経験済)、
H&Mやユニクロ、GIORDANOと共に、このMapleでの運試し、ぜひ挑戦してみてください。
訪Mapleの後も散歩は続き、トラムが通る『軒尼詩道』を湾仔から銅鑼湾方面へ。
右手に出て来る『馬師道』という道に、一軒の気になるお店が出没。
その名も『強記美食』 ”強気”な美食家が集う、というイメージで覚えやすい店名。
このお店の『煎腸粉』(腸粉を炒めたもの)と 『喳咋』(雑穀入りしるこ)が、Open Riceで高評価。
が、さすがにちょっと歩いただけでは、煎腸粉が入る隙間はまだできず、
今回は泣く泣く諦めることに。次回こそは、きっと、とリベンジを誓います。
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さて、次回のために強記美食の下見を終えた後は、クルッと折り返し、
銅鑼湾から、上環方面へと戻ります。
「同じ道をたどるのは面白くない」と、『軒尼詩道』より山側1本奥、『湾仔道』を歩くことに。
ほどなく、反対側車線に『強記美食』と共に気になっていた
『砵仔王』という、香港の駄菓子を扱うお店が現れました。
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色々なお菓子を扱っている『砵仔王』ですが、その中でも特に有名なのが、
お店の名前にもなっている『砵仔糕』(プッチャイコー)
以前にも紹介したことがある、こちらの『砵仔糕』。
そして、砵仔糕といえば、いくつも賞を受賞した名香港映画『つきせぬ想い(新不了情)』
底抜けに明るい女の子”ミン”、どこか影のある作曲家”キット”との切ないラブストーリー。
元気ハツラツだった”ミン”が、ガンを再発症。
病床に伏した彼女が夜遅く、
「お腹がすいたの。砵仔糕が食べたい。」という、突然のお願い。
砵仔糕を求め、赤的士(タクシー)で、夜の香港をさまよう”キット”。
無事に砵仔糕を手にし、病院へ戻ったものの、
彼に手紙だけを残し、すでに彼女は天国へ・・・、
という、どこまでも悲しい場面での小道具としての印象が強烈な、砵仔糕。
その場面が、こちら。(このあらすじを書きながら、嗚咽が止まらない、Tsum)
二人がまだ楽しい時に食べられていた砵仔糕もあり、その映像は、こちら。
この楽しい砵仔糕と、悲しい砵仔糕が対照的で、
キットは、あの楽しかった時を思い浮かべながら砵仔糕を買ったのだろうな、
なんて思うと、また、もう、くぅ…。
そんな砵仔糕ですが、味は涙の塩味、ではなく、控えめな甘さのオヤツ。
食感、味、共に、名古屋名物『ういろう』によく似ています。
映画の中で、ミンが食べていた”白”が、ココナッツ。
キットが食べていた”茶色”が、さとうきび味。
今回は、キット味の砵仔糕を購入。
ほんのりと温かく、優しい味で、クニャっとした食感と、あずき感がたまりません。
さっきまで大人しかった胃袋を活気づけてしまうと、もう止まりません。
先ほどのMapleの近くにあった『焼き芋&焼き栗屋さん』
口には出さないものの、何気なく気になっていた二人。
2度目にそこを通ったときは、やはり素通り出来ず。
あまり時間がないため、今回は、焼き芋のみの購入を決心。
のはずが、勢い余って焼き栗が入っている容器を指差してしまったので、
結果、焼き栗と焼き芋を両方お買い上げ。
料金は、言い値のようで、お父さんとお母さんが何やら広東語で口論。
吹っかけられた気がしなくもないですが、分かりようもなく、
また、先客のお兄さんも、値段でちょっとしたやりとりがあったようなので、
観光客だけ高くしているわけではなさそうだしね、と妙な納得。
まだ熱々の焼き栗と焼き芋を抱え、
横浜の中華街で焼き栗を買えばもっと高い、
香港の焼き栗は食べたことがない、
今年はまだ焼き栗を食べていない
などと、とブツクサと言い訳を並べながら、トラムに乗って、ホテルへと戻りました。
そんなこんなで、ホテルへ着いた頃には、結構な時間。
預けていた荷物を受け取り、空港行きのバス停へと急ぎます。
その間に栗・芋とも食べる時間がなく、あっという間に、空港に到着。
焼き芋を空港で食べることにしましたが、この焼き芋がパキッと折れるタイプの芋ではなく、
安納芋系のねっとりタイプのもの。
許留山でデザートを食べ、そこでスプーンを拝借。
空港のベンチで、まだまだ温かい焼き芋をいただきました。
予定外の許留山で、栗を食べている時間がなくなり、渋々機内持ち込みとすることに。
”液体”として没収されたらどうしよう、と心配しましたが、あっけなく荷物検査をすり抜け。
元々入れられていたビニール袋が、焼き芋でペタペタになったため、
“いつか役に立つはず”と隠し持っていた、ディズニーランドビニール袋に入れ替えることに。
が、広げてみると、なんとビニール”手袋”。
てっきり持ち帰り用のビニール袋と思っていましたが、
どうやらチキンウイングス用の手袋だった模様。
あの香港ディズニーランドで、こんな細やかな気遣いに気付く人が、
一体何人いるのでしょうか・・・。
何とも気色悪い焼き栗となってしまいましたが、無事に日本まで持ち帰り。
日本の税関に引っかかることもなく、その日のうちに、おいしくいただきました。