航空会社の上級会員になりたい・・・どうすりゃいいのさ!
「あたしも、その上級何ちゃらになりたいんだけど。」
デルタ アメックス ゴールドの力で得た
『なんちゃって上級会員』の魔法を目の当たりにし
その威力に、驚愕した友人
「あたしも、エコノミー乗って、チヤホヤされたい!」
普段の生活からは縁遠い、”上級”な世界をかい間見てしまい
とうとう、マイル修行という禁断の門を開けることを決断
台湾旅行の帰国便。
優先カウンターでのチャックインやら、優雅な空港ラウンジやら、
CAさんからの挨拶やら、なかったはずの新聞の出現やら、2回目のCAさんの挨拶やら、
バゲッジクレームで、いち早く出てくるスーツケースやらを体感した友人。
到着した羽田空港で、台湾の美味しかった話をしながら、預け荷物を待つこと数分。
最初の1回り目で無事に出てきた、年季の入った我がスーツケース。
そのスーツケースに付いた、”プライオリティー”という文字を見つめながら、
ポソッと、「上級会員って、そういうことね・・・。」とつぶやいてから、数日後。
「来年、ANA修行することにしたから。」と、突然のSFC修行宣言。
ともならば、SFC修行経験済みの”元”僧として、全力でサポート。
その前に。
「なるべく、楽してポイントを貯めたいのだけど?」と言う友人に、
SFCではなく、台湾旅行で、(やっと)活躍してくれた、毎年、28,080円さえ払えば、
“即”上級会員となれる、デルタ アメックス ゴールド カード を提案。
しかしながら、まず、デルタ航空の所属するスカイチームに、
日本の航空会社が所属しておらず、日本国内線での威力が、ゼロな点
羽田空港 国際ターミナルに独自のラウンジを持っていない点 (提携ラウンジあり)
大好きな東南アジア圏での路線が、それほど充実していない点
スターアライアンスで言えば、タイ航空、シンガポール航空、ANA
ワンワールドで言えば、JAL、キャセイなど、華がある航空会社が所属していない点
など、確かに他のアライアンスとの差が激しく、
「私にとって、持つメリットが全くない」とのことで、あっさり却下。
大好きな台湾へも、各空港から続々とLCCが就航し、とうとう羽田路線もスタート。
今まで、その価格と、羽田⇄松山の時間帯が魅力的だったチャイナエアラインも、
これらLCCの台頭で、利用しなくなる可能性がある中、
冷静に考えてみれば、毎年約3万円を少ないお給料から出すのは、実は、とても痛いもの。
と、結果的に自分のお財布の中を見、つめることになりましたが、
そんなこんなで、スカイチームなデルタ航空での上級会員路線は、なし、に。
となると、残る選択肢は、ふたつ。ANAのSFCと、JALのJGC。
ANAが有利な国内地方空港によく行く
もともとANAカードでマイルを貯めている
タイが好き (ANA タイ航空)
台湾が好き (ANA エバー航空)
韓国が好き (ANA アシアナ航空)
スターアライアンスの方が、ワンワールドより加盟航空会社が多い
等を考慮し、今回は、SFC修行に決定。
ちなみに、『取りやすさ』で比べれば、圧倒的にJGC。
その理由は、また、のちほど。
3月中には、ANAプレミアムポイント、5万分を貯め、プラチナ達成すべく、
最終的なルートについて、あれこれ、作戦会議。
そこへ、前々から修行に興味があった、別の友人も参戦。
SIN修行ならぬ、KAL(クアラルンプール)修行の詳細を聞き、しばし無言。
そして、
「あぁ、悔しい!大人になってから、こんな感情久しぶり…。あぁぁぁ、何それ、悔しい!」
「決めた!来年、JGC取る!修行する!」
と、まさかの、その場で、JGC修行を決意。
来年は、身近に”僧”が二人も現れ、”元”僧にとっても、楽しい1年になりそう。
大の大人をこんなにも夢中にさせる『航空会社の上級何ちゃら』こと、
航空会社の上級会員制度。
その魅力を、ザックリ、やや荒削り、腹八分目で表すと、
「ビジネスクラスの扱いを、エコノミークラスでも受けられる」というもの。
そして、その会員になる術は、基本的に各社共通、かつ、ただひとつ。
飛行機に、たくさん、たっくさん、たっっっくさん乗ること。
飛行機にいっぱい乗ったご褒美として(実際は「これからも上客になってください」の意)
憧れの上級会員となり、『1年間』様々場面で特権を得られます。
えぇ、そうなのです。基本的に、その権利は1年間のみ。
そのため、権利を維持するためには、毎年、たくさん飛行機に乗らなければなりません。
・・・・・・基本的に。
実は、この『基本的に』を覆す方法こそが、『修行』と呼ばれる行為。
日本在住で定職があり、クレジットカード会社のブラックなリストに名前がない人が、
ある一定の条件さえクリアすれば、スススッと抜けられる道あり、
その先には、半永久的に、その会員制度を維持していられる、ステキな光が・・・。
それが、ANA Super Flyers Card と JAL Global Club、
略して、SFC、または、JGC提携のクレジットカードを持つこと。
このカードを持つ限り、要するに、毎年きちんと年会費を納めている限り、
上級会員として扱われる、魔法のカードなのです。
「クレジットカードなら、申請書送って、すぐにでも。」
いえいえ、もちろん、然うは問屋が卸しません。
このクレジットカード、申請できる人が、限られているのです。
申請できるのは、飛行機に乗ることでしか得られないポイントを、
50,000ポイント以上を貯めた者のみ。(JALの場合は、50回搭乗という方法もアリ)
「買い物でANAカードよく使うから、5万ポイント、すぐ貯まるかも。」
違います。買い物では、そのポイントを、得ることはできないのです。
「実際に飛行機に搭乗し、目的地に着くこと」のみで貯まるポイント。
それゆえ、1年間に何度も飛行機に乗ることとなり、
その行為が、思いのほか大変なため、修行となぞらえられるのです。
「あ、来年、台湾に3回行くから、SFCなれるかも!」
断言します、なれません。
5万ポイント。パッと聞いただけでは、壮大さが分からないその数字。
見くびっては、いけませぬ。
例えば・・・。
東京から台湾まで、ANAのエコノミークラスで旅した場合。
得られるのは、最大でも、片道 2893ポイント x 往復分 5786ポイント。
最低、片道 598ポイント x 往復分 1196ポイント。
優雅にビジネスクラスを利用し、3回台湾を往復しても、得られるのは17,358ポイント。
これで、やっと3割ほどのポイントが貯まるのみ。
実際に、どのくらい飛ぶことになるのか。
過去の記事をどうぞ。
このプレミアムポイントの算出方法は、一筋縄では行かず、
「罠か!罠なのか!」と思うほど、必要以上にとても複雑。
そのため、ANAでは算出を簡単にできるサイトを用意。
ポイント原材料
区間基本 マイレージ (実際の飛行距離)
クラス・運賃倍率 (航空券の料金別割合) 0% ~ 150%まで
路線倍率 (ボーナスがもらえる路線あり)
搭乗ポイント (高い航空券には、さらにボーナス)
5万ポイントの調理方法
ポイントが貯まる飛行機に乗る
1月1日から12月31日までに、5万ポイント貯める
年が変わると、昨年分のポイントは、すべてチャラになり、また、0からスタート
5万ポイント中、2.5万ポイント以上は、ANAの搭乗で貯めたポイントで
2.5万ポイントは、同じアライアンス所属の他社便搭乗でもOK
ちなみに、お安いエコノミークラスで行った場合に、
ポイントが、雀の涙ほどになってしまう・・・、そこに、疑問を抱く者はいないでしょう。
しかしながら、最近行われた改定により、
ビジネスクラス航空券でも、それがツアーだった場合や、安い発券クラスだった場合、
ポイントの加算率は、なんと70%。
ボーナスどころか、100%さえ、付けてくれないのです。
「じゃぁ、じゃぁ、遠くに、出来るだけ遠くに、高い航空券で行けばいいのね!」
確かに、ある意味合っています。
例えば、東京→ニューヨーク間をANAでサクッと飛んだ場合。
最低、4,042ポイント、最高、ビジネスクラス Jを利用し、21,010ポイント。
「じゃあ、東京→NY・ビジネスクラスを2回と、台湾ビジネスクラス2回で終了ね!」
ごもっとも。しかしながら、全くもって現実的では、ありません。
まず、その費用。NY行きビジネスクラス(発券クラス J)。こちら、85万円。
台湾へのビジネスクラス(発券クラス J)、20万円。
航空券だけで、驚異の200万越え。
これに、現地での宿泊費やら、土産物やらもろもろで・・・。以下省略。
そして、旅行にかかる日数。
「休みが取りやすい」とは、言い難い日本の会社事情。
そんな環境の中、少ない有給とからめ、このルートを飛ばなければなりません。
台湾へは、2泊3日程度で十分。
ところが、日付変更線を越え、飛行時間が14時間ほどとなる、ニューヨークの場合、
空港への移動、そして実際の飛行時間だけで、丸一日。
現地に2泊し、3日目の早朝に発っても、日本に着くのは、ほぼ夕方。
これを弾丸で2回やるのは、かなりの体力と、気力が必要となります。
まさに、修行とは、リアル・ロールプレイング・ゲーム
いかに効率良く、お金と時間をかけずに、ポイントを稼いでいくか・・・。
電卓片手に、カレンダーを見つめながら、
ANAやJALのホームページと格闘しつつ、
自分にとって最適なルートを、見つけ出していくのです。
ANA、JAL共に、ポイントの半分は他社便でも良いため、
ビジネスクラスが安めの路線、日本より価格が安い海外から出発する路線、
海外路線に、日本地方空港発をからめる路線、
あえて、乗り継ぎを増やすように組む路線。
そこに、休みの日数、乗り継ぎ時間、空港移動、そして実際に行って楽しいか、
等の要素をからめると、そのルートは無限大。
いくら時間があっても、調べ尽くすことはできません。
ちなみに、私はこの行為が大好物。全く苦にならず。
数字には非常に疎く、普段はぴったりのお釣りを計算するのも苦手ですが、
飛行機、旅行関連のことになると、数字を含め、楽しく、時間を忘れ没頭。
「それ、生業にしたら?」と、度々言われます。
『あなたの修行ルート、お作りします』
こんな職業があれば、いつでも転職する準備は万全。
どこか、ありますか?あれば、ぜひ声をかけてください。
ということで、友人二人のSFC・JGC修行を機に、
忘れかけていたあの気持ち を思い出してきた、今日この頃。
一緒に練りだした、様々な”没”ルートを、
せっかくなので、ここTravelrzで、ちょこちょこと公開して行こうと思っております。