旅行記,  空港ラウンジ

仁川空港 大韓航空 ラウンジ・・・の前に大問題

仁川空港 大韓航空 ラウンジ
バンコク→香港→仁川 なぜか荷物を受け取ることに

バンコク→香港→仁川→羽田という、少々複雑な旅程。

バンコクのタイ航空カウンターで、「預けたスーツケースは、羽田まで。」

と告げられていたにもかかわらず、香港で飛行機に搭乗する前に、

「荷物を仁川で受け取ってください。」と急遽荷物を受け取ることに。

そう、そこには驚きの事実が・・・。

仁川空港 大韓航空 ラウンジ
仁川空港、アシアナ航空 ビジネスクラスカウンター
仁川空港 大韓航空 ビジネスラウンジ
「オットケェ〜」お姉さん、”イネ”
仁川空港 大韓航空 ビジネスラウンジ
何度見ても見つからない、OZ178便

朝8:00にバンコクを出発し、すでに時刻は18:30。

次の便は、20:50。乗り継ぎの時間としては、十分ですが、

入国するほどの余裕は本来ありません。

が、荷物を受け取らなければならないので、仕方なしに入国。

入国審査では、「乗り継ぎにこれしか時間がないのに、なぜ入国するのか?」

と、女性審査官に厳しく問われ、

思わず、「それは、私が聞きたい。」と答えそうになりましたが、

「彼らが、手続きを間違ったようです。(好き好んで入国しているわけでは、ありません)」

と、知りもしない人々を責め、無事韓国入国。あと味の悪い訪韓となりました。

荷物を受け取ったあと、電光掲示板で搭乗便の確認をしようと目を凝らしますが、

なぜか、OZ178便が見当たりません。

その時はあまり深く考えず、何はともあれ、アシアナ航空のカウンターへ。

「アニョンハセヨ」と旅程表とパスポートを、カウンターのお姉さんに提示。

せわしなくキーボードをたたく音が、しばらく続きます。

カチャカチャ、カチャカチャ、カチャカチャ、カチャカチャ、カチャカチャ・・・

長い間画面を見つめていたお姉さんが、やっと顔を上げると、その表情には明らかな動揺が。

深いため息のあと、絞り出すような声で、

「This flight is canceled…..」

「??? …. I’m sorry ???」

「Ah…. This flight is canceled…..」

「Oh…..」

「Oh…..」

お互い沈黙。漂う重い空気。

のちに確認すると、なんと、OZ178は冬季期間、運航本数を調整。

そのため、搭乗するはずだった便は、運行中止に。

この状況に、以前遅延のため次の便に乗り遅れ、仁川空港で過ごした10時間が頭をよぎります。

私たちが途方に暮れている間、なぜか、お姉さんもそこへ参加。

数少ない知っている韓国語の中でも、あまり聞きたくない部類に入る

「オットケェ(어떡해)」=「どうしよう」を連呼し、文字通り右往左往。

あまり良い状況ではないのことが、手に取るように分かります。

この様子が、「私の名前はキム・サムスン」の中のキャラクター、イネを彷彿させたことから、

それ以降、彼女を”イネ”と呼ぶことに。(例えが限定的で、スミマセン。)

黄色いタイをしている、ご飯をもらったり、席をはずして、と言われているのが、”イネ”。

ちなみに、この出来事以降、ちょっと頼りないけど、

懸命さは伝わってくる人すべてを、”イネ”と呼ぶことに。

「オットケェ」しか言っていなかったイネが、突然思い出したかのように、

ストラップが大量に付いた携帯を取り出し、どこかに電話。必至に状況を説明。

「イェ(예・はい)・・・イェ・・・イェ・・・キンポ・・・イェ・・・」

韓国語なので、ほとんど分かりませんが、

キンポという単語が金浦空港を指すことはだけは、容易に察しがつきます。

そして案の定、電話を切ったイネの第一声は、

「バスに乗って、金浦空港まで行ってください。」

今から??金浦空港に??バスで??

金浦発、羽田行き最終便の正確な時間は覚えていませんでしたが、

『確実に間に合わない』、と断言できる自信はあったものの、

「オットケェェェ〜」と言いながら走り出すイネを追って行くしか、

羽田に帰る方法はありませんでした。(今考えれば、他にも方法があったかと・・・。)

息を切らしたイネがエレベーターのボタンを押し、いざ乗り込もうというところに電話。

エレベーターに片足を踏み込んだAriさんが、イネに呼び止められます。

電話で話し込むこと、数分。

「仁川発の大韓航空で、チケットをご用意できそうです。」

仁川→羽田間には、アシアナ便とほぼ同じ時間に発着の

KE719という、大韓航空運行の便があるのですが、

まさか、アライアンスを超え、そんなことが実現するとは思いもよりませんでした。

カウンターに戻り、手続きを始めるイネ。

『今日は1泊し、翌朝の金浦発に乗ることになるのだろう』

と覚悟を決めていたため、うれしい誤算。

一枚の書類と、電話番号が書かれたメモを渡され、

「これを大韓航空のカウンターで提示してください。

何かあれば、ここに電話するよう伝えてください。」と、イネとはここでお別れ。

大韓航空といえば、アシアナ航空にとってのライバル。

やはり敵地にズカズカと乗り込むようなことは、しないようです。

「カムサハムニダ」とお礼を言い、いざ大韓航空カウンターへ。

仁川空港 大韓航空 ビジネスラウンジ
敵地・大韓航空カウンター
仁川空港 大韓航空 ビジネスラウンジ
なにやら内部事情がわかりそうな、例の書類
アシアナ航空から、大韓航空のビジネスクラスへ

大韓航空カウンターには、お兄さんが一人待ち構えています。

言われた通り書類を出すと、「あぁ、君たちが。」という、軽いうなずきのあと、

「渡された書類はこれだけですか?」と流暢な日本語。なかなか出来る男のようです。

「はい、これを渡せば大丈夫と・・・。

もしなにかあれば、こちらに電話して欲しいと言われました。」

お兄さんの顔には、「アシアナ、分かっちゃいないな。」という表情。

書かれた電話番号に電話。どうやらイネと話している模様。

「書類に不備があるので、アシアナの職員(イネ)が来ます。」

「あぁ、イネに悪いことしてしまったね。」

「でも、ここで恋が芽生えちゃうかもよ。」

以下想像

「『いつも見かけるあなたは、アシアナ航空の方だったんですね?』」

「『はい。私、こういうの不慣れで・・・』」

「『いやぁ、僕も初めてですよ、ハハハ。あ、ご紹介遅れました、僕、パクです』」

「『イネです。書類書き間違えてしまって、スミマセン・・・』」

「『いや、いいんですよ。あとで一緒にキンパでも食べながら、もう一度見直しましょう』」

「『あ、ちなみにこの電話番号・・・、(小声)私の携帯なんです』」

想像終了

「お兄さん、イネはいい子だよ。大事にしてあげてね。」

「イネ、礼はいらないよ。今日、羽田に戻れるだけで、十分。」

と、自分たちが置かれている状況も忘れ、

非常にくだらないことで盛り上がるところに、イネ登場。

「オットケェェェ〜」と小走りで来るかと思いきや、

背筋を伸ばし、一歩一歩踏みしめるように、ゆっくりとこちらに向かってくるその姿は、

先ほどとは別人かと思うほど。

こちらは手を振ってみますが、イネは笑顔で軽く会釈するのみ。

韓国ドラマばりの展開を期待するも、お互い目も合わさないイネとお兄さん。

お兄さんが、小さな不備をネチっこく指摘しているようですが (失礼極まりない勝手な想像)、

イネは落ち着いてそれを訂正。一度の「オットケ」もありません。

「イネ、成長したな。」(電話口でやり取りしていた、先輩の気持ち)

「イネ、そんな小さい男はやめとなさい。」(遠く離れた田舎に住む、イネのお母さんの気持ち)

恋のこの字も感じられないまま、やりとりはあっさりと終了。

どうやら、アシアナ vs 大韓の溝は、想像以上に深いようです。

再度イネに別れを告げ、出国審査へ。

ということで、前置きがかなり長くなりましたが、

ひょんなことから『仁川空港 大韓航空 ラウンジ』を体験。

仁川空港 大韓航空 ビジネスラウンジ
大韓航空はSkytem所属
仁川空港 大韓航空 ビジネスラウンジ
なかなかシックな内装
仁川空港 大韓航空 ビジネスラウンジ
遅い便のため、座り放題
仁川空港 大韓航空 ビジネスラウンジ
お酒も用意されています
仁川空港 大韓航空 ビジネスラウンジ
料理はハイアット監修
仁川空港 大韓航空 ビジネスラウンジ
温かい料理

時間が遅かったためか、提携航空会社は多いものの、利用者はまばら。

ビジネス客は少なく、観光目的の旅行者が目立ちました。

ハイアットリージェンシー仁川が提供しているという、食事。

残念ながらそれほど惹かれるものはありませんでしたが、

ラウンジに温かい食事があるのは、ありがたいものです。

仁川空港 大韓航空 ビジネスラウンジ
トイレは男女兼用・・・
仁川空港 大韓航空 ビジネスラウンジ
個室の中に洗面台

大韓航空のラウンジで一番驚いたのが、トイレ。なんと男女兼用。

そのため、個々のトイレに洗面台が備え付けられていますが、それでも何となく抵抗が・・・。

やはりスターアライアンスを多く利用するため、

アウェイ感が拭えず、なんとなく居心地が良くなかったのと、

『乗り遅れたらもうあとがない』という緊張感に背中を押され、

早々とラウンジを後にしました。

仁川空港 大韓航空 ビジネスラウンジ
登場ゲート前の、お茶屋さん

韓国乗り継ぎにもかかわらず、一旦入国したにもかかわらず、

何も韓国らしいことをしていないことに、気が付く二人。

最後にゲート前のお茶屋さんで、身体に良さそうなお茶を購入。

お味は、と言いますと、

「良薬口に苦し」とよく言ったものだ、とことわざの奥深さを再確認。

ほろ苦い想いと共に、ソウルを発ちました。

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