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さらばカイロ また3日後に会おう

2泊7日のANA・SFC修行を今さら振り返る日々 —の第8弾

どうにかカイロ空港での4時間をやり過ごし

エジプト航空・ビジネスクラスにて、最終目的地ニューヨークへと出発。

この便でのハイライトは、ホルス臭でもなく、機内食でもなく、”櫻井さん”。

今まで出会ったCAさんの中でも、

とびきりフレンドリーでステキなエジプト人CAさんがその人。

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目指すは、G4ゲート

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手書きゲート番号と”ラウンジ使ったよ”のハンコが押されたボーディングパス

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ゲートに手荷物検査場あり ので、飲み物は機内へ持ち込めません

ラウンジにいた親切な受付の男性に手書かれたゲート番号を目指し、いざ搭乗口へ。

ゲート前に手荷物検査があり、美しいアラビア語が書かれた飲み物は、

悲しいかな、見事に没収となります。

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お世話になるのは、B777

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ニューヨークまで、よろしく

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アサインされたのは、12K 足元広々

席は、ギャレー近くの、12K。もちろん、お祈りとおしぼりの会が始まります。

前回の教訓を活かし、”ホルス臭”をなるべく避けるべく、

おしぼりは笑顔で受け取ったあと、指先でつまみ、手早く広げアームレスの最北端へと移動。

(“きちんと使いました感”を表現したいので、あえてクシャっと置く、余計な気配り付き)

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ウェルカムジュース イスラム国家ゆえ、アルコールはありません

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席はフルフラット

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バックル”ホルス” ブランケット”ホルス”

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座席ヘッドカバー”ホルス” シート隙間”ホルス”

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猛烈な”ホルス臭”の中央香水

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一見お花に見える模様は、実はホルスで構成

ウェルカムドリンクはなく、ウェルカムジュースのみ。

もともとアルコールにさして興味はなく、

ビビットな色をしたエキゾチックな味がする飲み物で、非常に満足。

気前良く注がれていますが、

「もう少し喉が渇いていたならば、美味しく感じるかもしれないね。」

という共通の感想のもと、残念ながら何口かいただいただけでカップを置くことに。

 

改めて機内を見渡すと、いたる所に”ホルス”(臭いではなく、キャラクターの方)が

あしらわれていることに気が付きます。

ブランケットやアメニティーはもちろんのこと、シートベルトのバックルや、

シートの後方、ほとんど人目に触れないで あろうところにまで、”ホルス”。

 

ちなみに、一番気づきにくい隠れホルスが、CAさんの制服。

一見ホルスには見えないのですが、

よく見ると、8ホルスが円形に連なった中に1ホルスが描かれた、

9ホルスで構成される柄が、散りばめられたもの。そのホルスへの愛に、感心しきり

 

その制服の模様に気が付いたのは、Ariさん。

「模様がホルスですね。」とCAさんに話しかけますが、

「あぁ、イエス、イエス、ホルス。」と、返答は素っ気ないもの。

どうやら、エジプト航空の思惑とは裏腹に、従業員のホルス愛はさほど深くはないようです。

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いざ、大西洋を横断!

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離陸後すぐに”朝食”タイム ちなみに中央に写っている紙ナプキンも”ホルス臭”

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パン・パン・パン・ワッフルの小麦粉大行進

人の満腹事情などお構いなしに、機内食タイムはやってきます。

Ariさんは、離陸後すぐに”寝”に入り、機内食拒絶体勢バッチリです。

よくよく見渡せば、なんと私以外、見事に全員睡眠中。

 

機内食を運ぶCAさんも、”唯一の非睡眠者”が私のみとすぐに察知したらしく、

「逃してなるものか」とハンターを思わせる勢いで、私を目がけ一目散にやってきました。

そのCAさん、まず隣で毛布を頭からかぶり完全に睡眠モードなAriさんに目をやり、

ちょっとガッカリした表情。

 

「あなたのお友達は寝ているようね。」

「はい。」

「お腹空いていないかしら?」

「だと思います。」

「何も食べないかしら?」

「だと思います。」

「あなたはお腹が空いてる?」

「そうでもないです。(断るチャンスをうかがう)」

「OK… But You HAVE To eat.

「…」(言葉にならず)

 

私がこの先、ニューヨークで食べ物に困り、飢え死にでもしそうに見えた上での、

気づかいからくる「You have to eat.」なのか、

機内食の準備にどれだけ手間をかけたのか、分かっているのかしら?

あなた、起きているのだから代表として、「You have to eat.」なのか・・・(多分、後者)

 

いずれにせよ、『機内食を食べない』という選択肢は除外されたので、

あとは、メインディッシュに胃への負担の少ないものを選ぶのみ。

 

メインディッシュはワゴンに並べられ、張り切ってやってきます。

ワゴンにぎっしりと並んだ手つかずの料理の数々。

残念ながら、それほど魅力的なものはありません。

その中から、一番『優しそう』に見えた、”ワッフル”を選択。

「Nice Choice~」とCAさんは満足げでしたが、

最初にいただいたパンの存在を忘れており、気が付けば小麦粉一色。

 

せっかくなので、ワッフルを一口いただいてみます。

(悪い)期待を裏切らず、添えられているフルーツの果汁を存分に吸っていて、

ワッフルと呼ぶには乱暴なほど、ベチャベチャ。乾いている部分は、実にパサパサ。

食べてみようという気持ちを、一瞬にして萎えさせる破壊力ある一品。

一口目にして、撃沈です。

 

せめて添えられているフルーツだけでも、とオレンジを口にしてみますが、

これがまた、なんとも、食の進行を妨げるクシャッとした食感と、生暖かさ。

いっそのこと、別添えジャムにしていただければ、

どうにか1ワッフルくらいは胃に収まったかもしれないのに、

とその時点では、実にどうでも良いことを思いながら、目の前の機内食を見つめます。

 

さて、これをいかに「美味しくいただきました。」と加工するか ー

それが最大の課題となりました。

が、大して出来ることもなく、液体化していることを注目し、

フォークを使い器の端っこに押し込むことによって、

どうにか、「半分は食べました。」と見えなくもない案配に。

(いつもは食べ物を粗末にするようなことはいたしません。)

 

先ほどのCAさんが機内食の回収に。小手先の偽造はすぐにバレてしまい、

「ワッフルは嫌いなのか?他のもあるが持ってくるか?」

といういつもなら嬉しいオファーも、胃をさするジェスチャーと共に丁重にお断り。

その様子に驚いた表情で「お腹がいっぱいなの!?」と一言。

どうやら先ほどの私の話は、全く聞いていなかったようです。

 

これからエジプト航空・ビジネスクラスを利用される旅行者の方々。

機内食をペロリと平らげるベストな胃のコンディションで搭乗するか、

もしくは、配り始める前に”寝”に入るか ー どちらかをオススメいたします。

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いただいたお菓子と、ケーキ

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桜井さん こちら搭乗直後の写真。 さりげなく注目されていたようです

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まぶしいのなら読書灯を消せばよいのにあえてのテント仕様 中では何が・・・

睡眠から目覚め、まだ寝ぼけ眼をこするAriさんに、

「ここにいる乗客の代表として、機内食を食べた武勇伝(とは言ってもふた口)」を話したあと、

重たい胃をさすりながら、しばし就寝。

 

数時間後、目覚めてふと横を見るとAriさんがいません。

トイレにでも行っているのだろうと、気に留めませんでしたが、

10分ほど経っても戻ってこず、さすがに心配に。

その反面、果敢に機内食に挑戦し続けた私の胃が正常に稼働しているのに、

2回も機内食を拒んだAriさんの胃がおかしくなることなかろう、

と腑に落ちない気持ちもチラホラ。

 

そうこうしているうちに戻ってきたAriさん。興奮気味に、

「CAさん達からアラビア語を習ってる。書き留めるためにノートを取りに来た」と告げ、

状況が全く理解できない私を取り残し、 ギャレーへと去っていきました。

 

数分後、戻って来たAriさんに事情を聞くと、

喉が渇いたのでお水をもらいにギャレーに行くと、CAさん達が談笑していて、

「このチーズクラッカー、美味しいわよ」と勧められるがままに

一人のCAさんが食べていたチーズクラッカーを一緒に食べ始め、

どこの出身かと問われたので「日本です」と答えると、

「自宅に日本庭園があるほど日本が好き」という、

櫻井よしこさん似のCAさんと話がはずみ、

あれよあれよという間に、日本語⇄アラビア語講座が始まり、今に至る、ということ。

他にいたのは、「ますだおかだ」の岡田さんに似の『岡田さん』と、

ホルス柄の制服を着替え、スーパーマンのT-シャツ姿になった『スーパーマン(ウーマン)』

 

「ちなみに、もうすぐ”渾身のアイスカフェオレ”がくる」と、Ariさん。

すると、櫻井さんが満面の笑みでカフェオレを届けにやってきました。

未だに状況がよくわからず、キョトンとしている私の姿を目にした櫻井さんに、

「あら、お友達もなにかお飲物、どうかしら?アイスカフェオレはいかが?」と

アイスカフェオレを強く勧められたので、私もアイスカフェオレをいただくことに。

「じゃ、アイスカフェオレね!」と颯爽と去る櫻井さんの背中を見つめながら、

Ariさんがこのカフェオレの”渾身さ”を説明してくれました。

 

櫻井さんが飲んでいた飲み物が気になったAriさん。

「それは何ですか?」と聞くと、「アイスカフェオレよ!あなたも飲む?」と問われたので、

特に何も考えもせず「飲みたいです」と返答。

この時点では、コーヒーにミルクと氷を入れて、サクッと出来るのだろう、

と気軽に考えていたAriさんの前に、櫻井さんが取り出したのは、よく冷えた牛乳。

 

並々とコップに注ぎ、そこへ、おもむろにインスタントコーヒーを小さじ1杯入れ、

一心不乱に、スプーンでかき回し始めた櫻井さん。

冷たい水にも溶けるインスタントコーヒーではなく、普通のインスタントコーヒーなため、

溶解度は0に近く、白い牛乳がほんのり色づくのみで、

中央には溶けきらない粉がむなしく回り続け、

ギャレーにはカチャカチャ、カチャカチャとスプーンがカップが当たる音が響きます。

 

乱れた髪を直しつつ、

「完全には混ざらないけどね、味はアイスカフェオレよ。」という櫻井さんを前に、

まさか「安易にアイスカフェオレを飲んでみたい、なんて言ってみた」とも言えず、

「ケーキと一緒に届けるわね!」という言葉に見送られて、席に戻って来たー

というのがここまでの話。

 

そんな状況を知っているにも関わらず、私のアイスカフェオレオーダーを止めなかったAriさん。

理由は「櫻井さんが張り切ってたから」

確かに、他の飲み物を頼める雰囲気ではありませんでした。

 

お味は、ご想像通りほぼ牛乳。しかしながら、

1杯のアイスカフェオレにかけられた努力を知っているだけに、美味しさもひとしお。

ケーキは気が遠のくほど甘く、完食が危ぶまれましたが、

櫻井さんの悲しむ顔を見たくないという思いが、胃袋の底力を引き出してくれました。

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大きなサメがっ!と思ったら飛行機の影

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無事ビッグアップル到着

機内から降りる時に、櫻井さん他、愉快なエジプト航空CAメンバーとの別れを惜しむAriさん。

その驚異的な社交性に改めて感心。

「ニューヨークで喉が渇いたらいけないから」とフルーツジュース、

「オヤツに食べなさい。気に入ったら帰りのエジプトで買いなさい」と

例のチーズクラッカーをいただき、

ホルス柄のビニル袋を両手に抱えて、無事にアメリカ入国。

 

約12時間のフライトでしたが、地球を3周したのでは?と思うほど、

内容の濃い、印象に残ったフライトでした。

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